パワーエレクトロニクス回路
パワーエレクトロニクス回路とは
- 回路幅・銅箔厚・沿面距離の適正化で動作を安定させる
- 放熱効果をIVH・SVH・BVHを使用することで最適化する
導体許容電流と導体間耐電圧
1. 電流値と導体幅
パナソニックの基材カタログでは、銅箔に電流を流したときに銅箔の温度上昇が10℃以下となる値を導体幅の適正値としています。
一般的に1㎜-1Aと言われていますが本当でしょうか。
図2の35μ銅箔の導体幅5㎜をご覧ください。
電流値約5Aで温度上昇が10℃となっていますので、5㎜幅の時5Aを適正値としても良いでしょう。
しかし、10㎜をみてください。温度上昇が10℃以下におさまっているのは約7Aまでとなっています。
10㎜幅では7Aまでが適正値と考えるできでしょう。
図3の銅箔厚70μの時をご覧下さい。
10℃以内におさまっているのは10mm幅までとなっています。
1㎜-1Aとは材料銅箔厚が70μ以上の時の目安と考えた方が良いかもしれません。
温度上昇を10℃以下に抑えたい場合は1mm-1Aではありません。
2. 破壊電圧(フラッシュオーバー)
図4は表層のレジストがない場合の導体間隙と破壊電圧の関係です。
レジストがある場合は図よりも間隙を小さく設計しても良いと思いますが、当社ではこの数値を基本に設計しています。
基板設計を行う上で沿面距離が足りなくなる場合は、スリットを入れる等なんらかの工夫が必要となります。
3. 導体幅と破壊電流
図5をご覧ください。銅箔厚35μで導体幅が2mmの時の破壊電流は20Aとなっています。
1)の電流値と導体幅と照らし合わせると、適正導体幅が保てない場合でも直ちに破壊が起こるというわけではありません。
適正幅から外れて破壊が起こるまではかなりの幅があります。
このような事からも、基板を起こす場合は、その電子回路の固有の特性や性質、コストとのかね合い、製品サイズと電気的特性、EMC等の要求事項から基板設計上で最適化させることを考えるのが良いでしょう。
実績紹介
- 臨界型LLC電流共振回路を使用したスイッチング電源基板
- スマートグリッド用監視装置のスイッチング電源基板
- 河川水位監視装置のスイッチング電源基板
- 斜面地滑監視装置スイッチング電源基板
- 航空機に搭載されるビデオモニター用のスイッチング電源基板
- 非接触給電装置向けスイッチング電源基板
- EV向けDC400/DC13V・60AのDC/DCの基板
- 超音波診断器用スイッチング電源基板
- 低周波治療器の電源基板
- 蛍光灯点灯用インバータ基板
- メタルハライド球点灯用インバータ基板
- 小型タービン用インバータドライブ基板
- 双腕ロボット用15軸モータードライバ電源分配基板
- ロボット台車用モータードライバおよびモーター駆動基板
- バッテリーマネージメントシステム(BMS)の基板
- ガリウムナイトライド(GaN)を使用した力率改善ユニット基板
- タブレットPC10台同時同期・急速充電装置の基板
- 特殊照明向けパワーLED基板
- 生ごみ乾燥のヒータ駆動部に使用される基板
- 小型パワー素子(大電圧・大電流)熱対策実験機の基板
- パワー素子向け熱伝導を考慮したFR-4基板
- 高圧地絡継電装置(保護継電器)
- 不足電圧継電装置(保護継電器)
- 高圧接地保護装置(保護継電器)